法定相続情報一覧図

戸籍謄本の束の代わりが、これ一枚に!
法定相続情報一覧図とは、被相続人と相続人の関係を一覧図にしたものです(相続関係説明図と同じ)。
登記所で交付されるこの一覧図の写しには、法務局のお墨付きがあります。
これまで、金融機関や登記所などで相続手続きをする際には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などの束が必要でした。
この戸籍謄本などの束の代わりとなるのが、法定相続情報一覧図です。
この法定相続情報一覧図の写しを複数枚交付してもらえば、一度に複数の金融機関などに対して、相続手続きを申し出ることができます。
また金融機関などは、戸籍謄本の束を取っ替え引っ替え見る必要がないので、相続手続きの迅速化が期待できます。
対応状況

対応している機関と手続きは、以下のとおりです(2018.09.13現在)。
- 登記所での不動産の所有権移転登記
- 銀行などでの預貯金口座の名義変更手続き
- 証券会社での証券口座の名義変更手続き
- 運輸局での自動車の移転登録申請
- 税務署での相続税の申告
- 保険会社への保険金の請求と、保険の名義変更手続き
なお、対応する機関と手続きは、次第に増えていく予定だそうです。
交付手続き

法定相続情報一覧図の写しの交付を受けるには、相続が開始していなければなりません。
相続の開始前に、あらかじめ交付を受けることはできません。
なお、交付手数料は、無料です。
申出人
法定相続情報一覧図の写しの交付を申し出ることができるのは、相続人に限られます。
※申出書に、申出人として複数の相続人の名前を書いておけば、書かれた相続人は再交付を申し出ることができます。
必要書類
申出書に次のような必要書類を添付して、登記所に申し出をします。
- 相続関係説明図(法務局では、法定相続情報一覧図といいます)
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本および除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人全員の現在の戸籍謄抄本
- 身分証明書(運転免許証もしくはマイナンバーカードのコピー、または住民票の写し)
※場合により、必要書類が増えることがあります。
申し出先
申し出先は,次の地を管轄する登記所のうちから、選ぶことができます。
- 申出人の住所地
- 被相続人の最後の住所地
- 被相続人の本籍地(死亡時)
- 被相続人名義の不動産の所在地
※郵送でも申し出ができますが、宛名が書かれた返信用封筒と料金分の郵便切手が必要です。
交付
通常、申し出から数日ほどで、法定相続情報一覧図の写しが交付されます。
この写しには、法務局が認証している旨の文言が付されます。
このとき、提出した戸籍謄本なども併せて返却されます。
再交付手続き

必要であれば、再度、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることができます。
申出人
再度、法定相続情報一覧図の写しの交付を申し出ることができるのは、次の人に限られます。
- 交付手続きの申出人
- 交付手続きの申出人に委任されたその他の相続人
保存期間
法定相続情報一覧図の登記所での保存期間は、作成した翌年から5年間です。
この保存期間内であれば、再度、交付を受けることができます。
ただし、 相続人の情報に変更が生じた場合は、あらためて交付手続きをやり直す必要があります。