遺産分割の方法

遺産を共有するのは、おすすめしない!
相続が開始すると、遺産を分割するために相続人が集まって、遺産分割協議をしますよね。
あなたはもしかすると、協議がうまくいかなくて、取りあえず共有という形にしていませんか?
共有は時間とともに相続人を増やし、相続関係を複雑にしてしまうおそれがあります。
なるべく早く、共有状態を解消しましょう!
マイナスの相続財産は、法定相続分どおり!
プラスの相続財産である遺産は、遺産分割協議をして分割方法を決めることができますが、マイナスの相続財産である負債は、相続の開始と同時に当然に分割されて、法定の分割割合に従って、各共同相続人が相続することになります。
たとえ、共同相続人の間で負債を遺産分割したとしても、債権者などの第三者に主張することができませんので、注意が必要です。
分割の方法には、以下のようなものがあり、組み合わせて行うこともできます。
現物分割

遺産の現物それ自体を分割する方法。
たとえば、家屋と宅地は長男が、農地は二男が、預貯金は長女が、などと分ける方法です。
長所
- 比較的簡単なので、一般的によく行われます。
- 思い出の品も手元に残ります。
短所
相続人の間で不公平になる可能性があります。
換価分割

遺産の現物を金銭に換価して分割する方法。
たとえば、専門の買取業者に売却した金銭を分割したりする方法です。
長所
分割が難しい遺産でも分割することができます。
短所
- 売却時に譲渡所得税が課税されます。
- 売却相手を探したり、処分を委託するのに、時間と費用がかかるため、足元を見られるおそれがあります。
- 想い出の品が、誰の所有物になるかわかりません。
代償分割

特定の共同相続人が遺産の現物を取得し、代償として相続分に応じた金銭をほかの共同相続人に支払う方法。
相続分は、必ずしも法定相続分どおりである必要はありません。
たとえば、資産家である共同相続人が、遺産の現物をすべて取得して、その他の共同相続人に金銭を支払います。
長所
- 分割が難しい遺産でも分割することができます。
- 遺産の現物を取得した共同相続人が転売しなければ、将来的に売買や相続で譲ってもらえるかも知れません。
短所
- 遺産の現物を取得する共同相続人に、支払い能力が必要です。
- 遺産の現物を取得した共同相続人が、代償としての金銭を支払わないこともあるので、ほかの共同相続人は注意が必要です。