行政書士 矢野浩一事務所

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遺産分割

遺言書なしで、相続がはじまった!

相続人が複数人いるときは、相続財産は共同相続人の共有になります(民法898条)。
このような相続を共同相続といいます。
共同相続で何もしなければ、相続財産全体は共同相続人ごとの法定相続分に従って、共有状態になっています(民法899条)。

この相続財産のうち、プラスの相続財産を遺産といいます。
各共同相続人が、遺産の相続分を自由に処分するためには、遺産を具体的に分割して、各共同相続人の単独所有にしなければなりません。

次の場合、遺産を分割するためには、共同相続人全員で遺産分割協議をする必要があります。

そして、遺産分割協議の結果を遺産分割協議書として残しておくと、次のような利点があります。

遺産の分割は、いろいろな事情に照らし合わせて

遺産の分割の際は、次のことを考慮しましょう(民法906条)。

  • 遺産に属する物や権利の種類と性質
  • 各相続人の年齢、職業、心と体の状態と生活の状況
  • その他一切の事情

たとえば、農家の相続において、実家で跡継ぎとして農業をしている長男と、都会で会社に勤めている二男がいる場合、長男が実家と農地を相続し、二男がその他の財産を相続するというようなことです。
なんでも半分ずつなどと取り決めることは、現実を無視した遺産の分割のやり方であり、望ましいことではありません。

以下のように、遺産分割に関する手続きを支援します。

もくじ
  1. 遺産分割協議への参加
  2. 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議への参加

遺産分割協議に参加して!

依頼を受けて遺産分割協議に参加します。

遺産分割協議の前に、あらかじめ相続財産目録を作成し、それを遺産分割協議の叩き台にするのが、オススメです。

ただし、行政書士は誰かの代理人となって、その他の人と協議することはできません。
遺産分割協議に参加して、遺産分割協議が円滑に進むように助言を申し述べるにとどまります。

争いがある場合には、弁護士にご相談を

遺産分割に関して、共同相続人の間に紛争がある場合、ご相談は弁護士に、調停や審判の申し立ては家庭裁判所になります。
行政書士法的な紛争に対応することは、法律で禁止されています(弁護士法72条)。

共同相続人の間の紛争とは、たとえば、次のような場合です。

  • ある共同相続人が、遺産の全部または一部を、勝手に処分してしまったとき
  • ある共同相続人が、多額の贈与を受けておきながら特別受益だとは認めないとき
  • ある共同相続人が、多大な貢献をしたので特別寄与だと主張して、譲らないとき
  • 遺贈または贈与を受けた人から、遺留分の侵害分を取り戻したいとき

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議の結果を書面にして!

遺産分割協議の結果をもとに、遺産分割協議書を作成します。

もちろん、遺産分割協議は、法的に口約束でも有効です。
しかし、遺産分割協議の結果を証明する必要がある場合、口約束では何も証明できません

たとえば、次のような場合に必要です。

  • 金融機関(銀行や証券会社など)で、預貯金口座や証券口座の名義を変更するとき
  • 登記所で、不動産の所有権を移転する登記をするとき
  • 裁判所で、自分の正当な相続分を証明するとき

というわけで、預貯金、証券や不動産のように、口座や登記の名義変更をする必要がある場合は、必ず遺産分割協議の結果を記した書面(遺産分割協議書)を作成しましょう。

記載されていない遺産にも対応できる

金融機関で、名義変更手続きのために書かされる書面(誰が相続するか、相続人全員が同意して、署名捺印したもの)は、遺産分割協議書の簡易版です。
その金融機関のみで有効なものなので、金融機関ごとに必要になります。

あらかじめ遺産分割協議書を用意しておけば、その都度、書く必要はありません。

また遺産分割協議書なら、将来、記載されていない遺産が見つかったときのために、あらかじめ文言を書いておくことができます。
そうすれば、あらためて遺産分割協議をする必要がなくなります。

遺産分割協議書は以下の通数、用意しましょう。

  • 共同相続人それぞれの保存用  相続人の人数分
  • 金融機関や登記所への提出用  1~2通(返却されたら、他の提出先へ)