遺言作成

財産が少ないから、遺言書なんて要らない?
「うちは財産が少ないから相続トラブルなんて起きない!」
あなたは、もしかすると今まで、このように考えていたのではないでしょうか?
下の表をご覧ください。
平成28年に家庭裁判所において、遺産分割事件の調停が成立した件数を遺産の価格帯ごとに表にまとめたものです。
遺産分割事件の調停が成立した件数の全体に占める割合は、遺産の価格が 1,000万円以下でも33.1%あり、5,000万円以下ならなんと75.5%(= 42.4% + 33.1%)もあります。
相続トラブルは、財産の多い少ないに関係なく発生してしまいます。
相続トラブル予防のために、積極的に遺言書を残しましょう!
遺産の価格帯 | 認容または調停が成立した件数(割合) |
---|---|
5億円を超える | 24件( 0.3%) |
1億円を超え、5億円以下 | 505件( 6.7%) |
5千万円を超え、1億円以下 | 897件( 11.9%) |
1千万円を超え、5千万円以下 | 3,266件( 43.5%) |
1千万円以下 | 2,413件( 32.1%) |
算定不能・不詳 | 415件( 5.5%) |
総数 | 7,520件(100.0%) |
※出典:裁判所司法統計「家事 平成29年度 52 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除きます)遺産の内容別遺産の価額別 全家庭裁判所」
以下のように、遺言作成に関する手続きを支援します。
遺言の文案の作成

遺言の文案を考えて!
遺言者のご意向に沿った遺言の文案を作成します。
世の中では、個人主義の風潮が高まり、核家族化も進んでいるため、たとえ親族同士でも、お互いに干渉し合うことが、少なくなってきています。
そのため、共同相続人の間では、かつての大家族の一員であるかのような意識は、次第に薄れていっているようです。
家督相続制度が存在したころには、親の相続財産をめぐって、親族の間で紛争になるようなことが、それほど多くはありませんでした。
しかし昨今では、相続財産をめぐる親族の間での紛争が、ますます増えてきているようです。
遺言書の目的
遺言は、遺言者が死亡した後に、遺言者の生前の意思を実現するためのものです。
それと同時に遺言は、将来の共同相続人の間の紛争を、未然に防ぐためのものでもあるのです。
思いやりのある遺言書の作成を、ご検討してみてはいかがでしょうか。
また、いざ遺言書を作成するとしても、紛争のもとになるような遺言書を、作成するようなことがあってはいけません。
遺言の文案の作成にあたっては、相続分の指定の方法などについて、適切な助言を行います。
遺言書の利点
遺言書を作成すると、次のような利点があります。
- 農家であれば、農業を継ぐ長男に農地を相続させることを、はっきりと示すことができます。
- 身体が弱くて将来が心配な子には、多少なりとも多めに財産を遺すことができます。
- 次のような法定相続人ではない人にも、財産を遺すことができます。
- 内縁の配偶者
- 事実上の養親や養子
- まだ認知されていない子
- 献身的に看護を尽くした子の配偶者(息子の嫁など)
- 次のような法定相続人の、相続分を減らすことができます。
- 遺言者に対して、不親切な人
- 疎遠で、最近ほとんど会っていない人
- あらかじめ、自分の財産を調べ直すことになりますので、財産の管理がしやすくなります。
- 自分が死んだ後の配慮をしておけますので、後々の心配をしなくてもよくなります。
遺言書の注意点
なお、遺言をするためには、遺言する能力が必要とされています(民法963条)。
認知症と疑われるような状態になってから作成した遺言書は、裁判で無効になるおそれがあります。
遺言書を作成するのでしたら、頭も身体もなるべく健康なうちに作成しましょう。